The 28th International Conference
for Women in Business
第28回
国際女性ビジネス会議

CONFERENCE SESSION

カンファレンスセッション

カンファレンスセッションManaging Diversity: 2023 Challenges

小さいところからチャレンジしていけば、世界を変えることができる!

次は、ヨルダン、セルビア、メキシコの女性大使が登壇。その貴重なトークショーに先立って、それぞれの国の世界遺産や自然保護区、観光名所、街々などの美しい写真がスクリーンに映し出されます。

いよいよ、駐日メキシコ大使 メルバ・プリーアさん、駐日セルビア共和国特命全権大使 コバァチュ・アレクサンドラさん、駐日ヨルダン大使 リーナ・アンナーブさん、ファシリテーター大門小百合さんによる英語のセッションです。「日本語で聴きたい方はレシーバーで同時通訳を聞くことができます」との案内も入ります。国際女性ビジネス会議は、オンラインで開催の時も、ホテルで開催の時も、ほぼすべてのプログラムにユニカルインターナショナルの同時通訳者が日英の通訳を提供しています。

大門 小百合氏

大門 小百合氏Sayuri Daimon

ジャーナリスト

ALEKSANDRA KOVAČ

アレクサンドラ・コヴァチュ氏Aleksandra Kovač

駐日セルビア共和国大使

ジャーナリストの大門小百合さんは、まず、ジェンダーギャップ指数に言及。2006年、最初にジェンダーギャップ指数が発表された時、日本は115国中80位だった。それが今や125位と段々落ちてしまったと、ご自分の取材経験に基づいて語ります。
「日本は何もやっていないわけではないが、スピードが遅い。他国はもっと早く動いている。だから日本は他国から学ばなければならない」

世界に駐在する日本大使は、166人中、女性は数名のみ。今日登壇されている3人の大使に、「どういうキャリアで大使になられたか、どんな課題があるか、お聞きしたい」と問いかけます。

「女性も男性も同じ機会をという家庭に育ち、母は洗濯から電気工事まで男女を問わず兄弟に同じことをやらせてくれた」という駐日メキシコ大使 メルバ・プリーアさんは、社会の「バイアス」が課題だと指摘。例えばリーダーに女性が選ばれた場合、「美しいからとか、上司と関係があるから選ばれたなどと言われることがしばしばある。男性なら言われないのに。これは大いに問題です」

セルビアにおいて、「私は初めての女性大使ではないが、一番若い女性大使」というコバァチュ・アレクサンドラさん。ワーキングマザーである自分にとって一番大きな課題は、仕事と家族の生活とのバランスであり、サポートシステムが必要だと明かします。

「母が一番のロールモデルだった」という駐日ヨルダン大使 リーナ・アンナーブさんは、成功している女性は良い模範になる責任があると言います。また、ヨルダンにはチャンスがあり潜在的な可能性が大きい。どう生かすかが大切な課題であるとも。

メルバ・プリーア氏

メルバ・プリーア氏Melba Pría

駐日メキシコ大使

リーナ・アンナーブ氏

リーナ・アンナーブ氏Lina Annab

駐日ヨルダン大使

決してジェンダーフリーではなく伝統的な価値観を持つ国でありながら、それぞれにジェンダー平等に向けて取り組み、結果を出してきた3カ国。それぞれの「最新事情」へと、話題が展開していきます。

「マッチョという言葉をつくったのは我々」という歴史をもつメキシコでは、96年に30%のクオータ制を始め、08年40%、14年50%と法を改正してきた。そして今、「女性の大統領が登場する可能性がある!」とメルバ・プリーアさん。

コバァチュ・アレクサンドラさんは、セルビアでは現在の首相が女性。大臣も女性が9人いて、裁判長も女性。「こうした現状をサポートしているのがクオータ制で、2年前から候補者の40%は女性と定められている」と言います。

ジェンダーギャップ指数が126位のヨルダンでも、SDGsアジェンダにコミットし、2020年3月、女性のための国家戦略をつくり、大きな進展が見られたと、リーナ・アンナーブさんも成果を伝えます。

「その次の段階に進むには私たちは何をすればいいか」という最後の質問に対しては、「女性が前に進んでくれることで、加速して良くなる」、「重要なプロセスに女性を入れていくことが大切」、「ステレオタイプで考えないように」、「選挙の機会の平等があって初めて平和が成り立つ」など、名言が次々に。

最後は、大門さんが「私たちは小さいところからチャレンジしていくことで世界を変えることができるのですね」と、確信に満ちた力強い声で締めくくりました。

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