AFTERNOON SESSION
アフタヌーンセッション
アフタヌーンセッション一人ひとりの多様性を引き出す経営
ダイバーシティ経営を加速する!変わらない日本を動かすために
松下 理一氏MIchikazu Matsushita
パナソニック株式会社 副社長執行役員
東京のメインスタジオに、パナソニック副社長の松下理一さん、世界経済フォーラム 日本代表の江田麻季子さんが登場。ダイバーシティ経営をテーマに語り合うトークショーの始まりです。
朝から話題の、世界経済フォーラムから発表されたジェンダーギャップレポート。日本は125位。「私が世界経済フォーラムに移ってから5、6回目のレポートなんですが、日本はほぼ変わっていません」と、江田さんは厳しい現状を語ります。そして、大きな格差がある経済について「せっかく経営者の松下さんに来ていただいていますから、今日は単刀直入に聞いちゃっていいですか? この日本の現状をどう思われますか?」と、ずばり切り込みました。
欧州などで22年間の勤務の後、2年前に日本へ戻った松下さん。「海外ではダイバーシティ経営が当たり前ですが、日本は20年前とあまり変わっていないと実感しました」と、はがゆい思いを語ります。「なぜ変わらなかったのでしょう?」という江田さんの問いに、「変えようと思っても、掛け声だけではダメ。アクションに落としまなければ」と答え、示してくれたのは、女性が活躍できる仕組みはもちろん、男性の意識も変えていくことの重要性です。
江田 麻季子氏Makiko Eda
世界経済フォーラム 日本代表
「例えばパナソニックは今、男性の育休を強烈に進めています。また、育休を取ってもどうしたらいいかわからないというのが実態なので、パパ業の研修も始めています。マイノリティとマジョリティは、同時に一緒に変えていくということをやらないと」
これを受けて江田さんも、「育休って、一週間でも『取得した』とカウントされるじゃないですか。本当はそういうものではないし、『休業』と呼ぶのもどうかと思うぐらいのもの。育休を取るにあたっての評価があってもいいと思うんですよね」とうなずきます。
さらに、「経営者の間で、ダイバーシティ経営の重要性についての腹落ち感は広がっているのか?」「変化を加速するアイデアは?」などと話題が展開。江田さんの鋭い質問に、松下さんが海外や社内での具体的な取り組みを紹介しながら、トークが白熱していきました。
「今、社内でダイバーシティをドライブする組織をつくり、大きなウエイブを会社全体に広げる活動をしています。今日もスタッフに参加してもらっています。来年にかけて変化を出し、パナソニックがジェンダーギャップの順位を上げていくことに何か少しでも良い影響を及ぼせたら素晴らしいなと思っています」と、松下さん。「そうですね。せっかくこういうリーダーがいらっしゃるので、ぜひ原動力になっていただきたい!」と江田さんがエールを送ります。そして「ぜひ来年は『こういうふうに変わりました』という話ができたら嬉しいですね」と、スピード感に大きな期待を込めたコメントで締めくくりました。