The 28th International Conference
for Women in Business
第28回
国際女性ビジネス会議

MORNING SESSION

モーニングセッション

モーニングセッションアメリカの女性役員事情 Women on Boards

女性取締役の比率を50%に! アメリカで変化を加速する取り組みとは

Betsy Berkhemer-Credaire氏

Betsy Berkhemer-Credaire氏

50/50 Women on Boards  CEO

鮮やかな赤いジャケット姿でロサンゼルスから登場したのは、ベッツィー・バークヘンマー・クレデアさん。企業の取締役会における多様性を推進する「50/50 Women on Boards」のCEOを務める女性です。佐々木かをりが日本で展開する女性取締役・監査役ネットワーク「THE BOARD」とも連携し、社外役員たちの学びとネットワーキングを広く支援しています。

50/50 Women on Boardsが目指しているのは、その名の通り、すべての上場企業において女性取締役の比率50%を実現する社会。ベッツィーさんは、「理想としては2030年までに達成することを米国企業に求めていますが、まだ到達はできておりません。ラッセル3000という、米国の大手企業3000社の中では、29%となっています」と厳しい現状を語ります。

それでも、取り組みを始めた2010年はわずか10%、2016年で16%に過ぎなかったとのことで、13年間で着実な変化が起こっていることがわかります。その原因については、「女性の登用によって業績を向上させてほしいという機関投資家や資産運用会社の圧力」とのこと。さらに、「カリフォルニア州では上場企業すべてに最低3人の女性取締役が義務づけられ、ワシントン州では上場企業の女性役員比率25%を義務づけています」と、米国全土にもそのメッセージが影響したという2つの州の取り組みが紹介されました。

また、女性たちの意識変革についても言及。
「女性には、自分が取締役になりたいということをなかなか言い出せないところがあります。これには練習が必要なんです。私たちは、自分たちの経験を取締役として生かせることをどう語ったらいいのか、あるいはネットワークを通じて、取締役になるつもりがあるということをいかにして伝えていったらいいのかといったコーチングを行っています」

その他、取締役に適した女性をリストアップして企業に提示するといった取り組みについては、「佐々木さんはじめ、皆さんにも同じようなことを日本でしていただき、取締役にふさわしい女性はこんなにいるんだということを示してほしい」と語りかけました。
「日米のすべての企業が、女性取締役を増やす努力をこれからも続けることを求めていきます。そこには実際、皆さんも含まれていらっしゃるわけですから、ぜひ取締役の方たちと話をして、自分の経験を伝えてください」

日本では、プライム市場上場企業のうち、女性取締役がいる会社はわずか11.4%。その数字を取り上げながら、ともに加速することを呼びかけたベッツィーさん。明確なデータと課題、私たちがチャレンジできる道筋がしっかり示されたメッセージでした。

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