The 28th International Conference
for Women in Business
第28回
国際女性ビジネス会議

AFTERNOON SESSION

アフタヌーンセッション

アフタヌーンセッション女性が直面する政治のチャレンジ

女性政策の見える化へ、みなさんと一緒にチャレンジ。

野田 聖子氏

野田 聖子氏Seiko Noda

自由民主党 情報通信戦略調査会長

小池都知事に続いては、日本をリードするために活躍されている野田聖子さんがご登場。お忙しい移動中に道路脇に車を停め、車中から講演してくださいました。「車の中からスピーチするのはたぶん初めて。これもI Challengeということで!」と微笑みながら、早速お話を進めます。

まずは、直近のジェンダーギャップ指数で日本が史上最低の125位だった件に触れ、「悲観的に言えば、日本もやっている女性活躍の政策が、世界の国々に比べて加速度が遅いことが明らかになったということ」。その一方で、歴史的に日本には男女格差があり、高度成長期にも役割文業という名の下で格差がつくられ、それを覆すという大きな作業、異次元の取組が必要であると指摘。
「何百年に及ぶ時代の空気とか道徳感とか、そういう見えざるものへのチャレンジだと思っている」

ジェンダーギャップ指数でのスコアが低い「政治分野」については、参議院は6年間任期が確定しているので、より計画的に仕事がしやすいが、衆議院は4年(平均2年半)。ワンオペの子育てをしながら、そういうバトルの中に女性が入っていくのは大変厳しいことで、相当の応援団が居ないと難しい。女性の政治家が衆議院で安定的に議席を確保するのは難しいことを痛感している」とご自身の経験からオープンに語ります。

さらに、最初は「女性活躍」の「活躍」という言葉がどうしてもピンとこない、馴染まないと感じた。背伸びをしたり力瘤を見せたりしなくても、女性というだけで損をしない、ノーマルモードに変えるだけで経済的にも貢献できるし、少子化の大きなエンジンが動くのではないかという話をしたことがあったと振り返ります。
「活躍という言葉でフリーズしないために。政治の世界で求められるのは、女性として生きてきた経験や実績だと思う。たとえば、生理、妊娠、不妊、出産、授乳、更年期などが当たり前のように語られて、そこにある垣根を取り払っていくことが、私たちが普通に求めている能力を十分発揮するための第一歩ではないか」

そして、「そういうことができていない理由を端的に申し上げるなら、やはり男性議員9割という現状は厳しい。痛みを覚えずに来た人は問題意識をもたないし、体験が違うから理解できない。自分事ではないので当然出てこないアジェンダなのだと思う」と鋭く指摘。画面の向こうに参加者のみなさんの深いうなずきが見えるかのようです。

野田さんはこう言葉を続けます。たとえば子ども政策の場合は、こども基本法とこども家庭庁をつくって「見える化」したことによって、ほぼ365日「子ども」という言葉が党派に関わらず出てくるようになった。
「私が30年やってきて感じるのは、女性の存在が日常的でない国会という社会を変えていくには、男性にとってもメリットがあるであろう新たな知見を、今行き詰まっている日本の政策に取り入れるという視点で、女性を増やすことが必要。人道的にとかポリティカリーコレクトだからという理由ではなく、現実的にすべての人にベネフィットがある、ということで、今後政治活動を進めていきたい」

終始、理路整然と穏やかに、時に弁舌鋭く語る野田さん。スピーチの最後をこう結びました。「今後もリアルな政治課題として女性政策を見える化していくことを、みなさんと一緒に、見えないものに対するチャレンジをやっていきたい!」

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