MORNING SESSION
モーニングセッション
モーニングセッションStart With Water
水の価値を変える! 地球の未来を見つめた新発想
Tatiana Malvasio氏
Kilimo COO & Co-Founder
次は、南米アルゼンチンから。「Hello!」と爽やかな笑顔で登場したのは、AIで「水」を守る活動をしているKilimo社のCOO、タティアナ・マルバシオさんです。世界の水管理の方法を変えることをビジョンとし、AIを活用して農業用水を節約、GAFA企業のサーバーを冷やすために、その水を提供するという豊かな発想での地球への貢献をお話しいただきます。
以前はNGOに所属していたタティアナさん。仕事をするうちに、「テクノロジーで大きなインパクトが出せる」ということに着目し、起業を決断したといいます。
画面では、ビジネスモデルなどを表すインフォグラフィックが映し出されました。これまで2000を超える南米の農家とつながり、SaaS(Software as a Service)によって500億リットルもの水を節約してきたそうです。
「気象データや衛星データ、画像データを使いながら、その作物に水がどれだけ使われているのかを検証し、改善していきます。ハードウエアは使っておりません。ソフトウエアのみなので、設定をしたあとにソリューションとしてすぐに使える点にメリットがあります」
この仕組みにはすでにグーグル、インテル、コカ・コーラといったグローバル企業が賛同しています。「このようなことが実現できたのは、Kilimoのチームがあったからです。いろいろなバックグラウンドを持った人間が、お互いに足りないところを補完しあいながら仕事をしています」と、写真でメンバーが紹介されました。柔軟なチャレンジを可能とするためには、やはりダイバーシティな環境が必要であることを実感させられます。
「なぜ、このようなアイデアに行き着いたのでしょうか?」という佐々木かをりの質問に、「水の価値を、食の生産で変えていこうと考えたからです」と答えるタティアナさん。
「そのために私たちがしなければならないことは、コミュニティと仕事をするということ。農業単体では無理なんですね。政府や企業、いろいろなステークホルダーと話をしていかないと、変えることはできません」
広い視野とパワフルな発想とともに、確かなビジョンを分かち合ってくれたタティアナさん。最後に、私たち一人ひとりができることとして、「実は企業としても水を節約するとコミットしているところがあります。私たちが着ている服、使っているテクノロジー、そしてもちろん食生活、社会はすべてに水が必要です。ですからぜひ、それを誰がつくっているのかということに目を向け、そのことを意識した消費をお願いしたいと思います」と、未来へつながるアクションを示してくれました。