EVENING SESSION
イブニングセッション
イブニングセッション挑戦する人生とは
変化と共存し新しい価値を見いだす。それがI Challengeの進化系
野口 聡一氏Soichi Noguchi
宇宙飛行士
感動的なホワイトハンドコーラスの話題に続いて、宇宙飛行士 野口聡一さんが美しい地球の画像を背に登場。野口さんには、2020年と21年の国際女性ビジネス会議はNASAなどからオンラインで、昨年は東京のメインステージで佐々木かをりとトークショーと、4年連続でご出演いただいています。
3回の宇宙飛行に成功し、15年間で船外活動4回、世界初となる3種類の宇宙帰還を達成するなど数々の偉大な実績を残され、退任後も東大特任教授、国際社会経済研究所理事をされるなど幅広くご活躍。最近はテレビ番組でも引く手あまたで、お忙しい合間を縫ってご自身のチャレンジのお話をしてくださいました。
開口一番、野口さんは、「チャレンジというと一部の意識高い系の人が次のステージを目指すようなイメージがあるかもしれないが、必ずしもそうではない」と言い、ご自身の体験をお話くださいました。
アメリカでよく聞くチャレンジには、「I challenge you」という風に他者から自分に強いられる挑戦というのがある。私自身も常に誰かからチャレンジングな課題を与えられ、達成できるのかと試し続けられたと思う。そのチャレンジを与えたのは、時には教官であり、仲間であり、また宇宙環境そのものでもあった。宇宙環境に出ていくこと自体が挑戦だった。
「それこそが宇宙飛行士という職業であった。承認欲求を満たすだけのチャレンジでなく、自己実現のためのチャレンジが幸福感を与えてくれていた」
さらに話題は、今年6月下旬からシンガポール、天津、東京といくつかの国際シンポジウムに参加されて感じたことへ。それらのシンポジウムで人々の興味の中心は生物多様性、生成AI、水素社会など、変化する時代の新しい価値であった。チャレンジというのは変化そのものであり、いかに対応して共存していくかのプロセスそのものではないかと。
「我々はコロナに勝っても負けてもいなくて、ただ共存するだけ。世界の新たな秩序という意味では、ウクライナが落ち着いたとしてもまたどこかで同じようなことが起きる。
だから、変化にいち早く気づいて理解して、共存しつつ新しい価値を見いだしていくことこそが、I Challengeの進化系なのではないか」と、俯瞰的な視座にもとづく示唆に富んだ言葉に深く頷かされます。
最後は、「大切なのは、一人ひとりが自分の挑戦を見つけること。みなさんの素晴らしいチャレンジを楽しみにしています!」と温かい言葉で参加者を勇気づけてくださいました。