The 28th International Conference
for Women in Business
第28回
国際女性ビジネス会議

AFTERNOON SESSION

アフタヌーンセッション

アフタヌーンセッション日本のデジタル化への挑戦

デジタル化の目的は、人が人に寄り添う、温もりのある社会を作ること

河野 太郎氏

河野 太郎氏Taro Kono

国務大臣、衆議院議員

出張中の淡路島から登場されたのは、デジタル大臣などを務める河野太郎さんです。前のスピーカーである野田聖子さんとオンライン上で楽しげに挨拶を交わした後、表情をきりりと引き締めて語り始めました。

まさに今、官民一体となってデジタル化を進めている日本。マイナンバーカードでの混乱が報道されるなど課題は少なくない状況ですが、「人口が急速に減少し、高齢化が進んでいる日本で、例えばご高齢の方を見守る、あるいは次世代の日本を支える子どもたちが健全に育つように見守っていくことを考えると、今までと同じことをやっていては回らなくなるというのははっきりしています」と、デジタル化の必要性を明言します。

その目的について、「人が人に寄り添う、温もりのある社会を作る」と語る河野大臣。
「人間は人間がやらなければいけないことに集中する、人間がやらなくてもいいものはAIやロボットやコンピューターにお任せしていく、そういうことをしっかりやるからこそ、そんな社会を作り出すことができると思っております」

具体的な事例として、熊本市では住民票などのコンビニ交付の割合が窓口交付より多くなり、その結果、窓口業務を行っていた10人以上の職員の負担が軽減され、また、市民ニーズの高い他の業務に力を入れることが可能になったとのこと。また、マイナンバーカードと健康保険証の一体化によって実現する安全性、利便性にも言及します。なりすましを防げること、その人の診療情報や薬剤情報などを通っている複数の病院で共有できること、情報共有によって歯周病と糖尿病など関連が深い病気の治療にも役立ち、大きな病院で改めて検査し直すということも不要になっていきます。

さらに「皆さんの医療の情報を匿名化して共有することで、日本国民の健康状態がこういう状況のときにこういう治療をしたらこれぐらいよくなる、最適な治療は何かということがわかるようになりますし、情報を利用した新しい薬の開発もできるようになります」と、新たな可能性も示唆されました。

会議のテーマである「I Challenge」については、「デジタルに慣れ親しんでいる方もいれば、全くデジタルなしで生活して来られた方もいらっしゃいます。いろいろな方に丁寧に説明をして、理解をしていただくというのがすごく大事な局面になっているので、こういう機会をいただいてありがたく思います」とのこと。「ひとつずつ足元を固めながら、前に進んでいきたい」という言葉から確かな熱意と信頼を受けとめ、温もりあふれるデジタル社会への期待がより一層高まった時間となりました。

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