AFTERNOON SESSION
アフタヌーンセッション
アフタヌーンセッションWomen and Profitability
意思決定層のダイバーシティが、収益性とイノベーションを生み出す
キャシー 松井氏Kathy Matsui
MPower Partners Fund L.P. ゼネラル・パートナー
田中 若菜氏Wakana Tanaka
LinkedIn 日本代表
色鮮やかな装いの4名が登場したメインスタジオ。MPower Partners Fund L.P.ゼネラル・パートナーのキャシー松井さん、伊藤忠商事の常務執行役員である茅野みつるさん、LinkedInの日本代表である田中若菜さんを迎え、NECのDeputy CFOを務める青山朝子さんがファシリテートする、「女性と収益性」を考えるセッションです。
まずは青山さんが、「最初はデータとファクトを英語でご紹介します」と口火を切りました。グラフを指し示し、「2019年、米国における多様性の高い企業は、低い企業に比べて25%も高い収益を獲得しています。2017年は21%、2014年は15%でした」と、年々強くなっているその相関関係を語ります。さらにキャシーさん、茅野さんからも「女性が増えるとイノベーションが増える」といった確かなエビデンスが紹介されました。
続いて日本語でパーソナルストーリーが語られます。田中さんは「アイデアが生まれるためには、ダイバーシティだけでなくチームにおける心理的安全性も大事。それを実行に移すためには、エンバシーを持って、理解を示していく、インクルージョンを育てていくことが不可欠です」と語ります。大きくうなずいた茅野さんは、コロナ禍での実感とともに、「誰も経験したことがない中で決断するには、発想のダイバーシティがとても大事。いろいろな人の意見を聞くことで、リーダーの選択肢も膨らみます」と、2020年当時を振り返りました。
茅野 みつる氏Mitsuru Claire Chino
伊藤忠商事株式会社
常務執行役員
青山 朝子氏Asako Aoyama
NEC Corporate SVP
キャシーさんは、日本初のESG重視型ベンチャーキャピタルファンド設立者として、「日本におけるスタートアップ・エコシステムに言及。「抜けているのが、多様性とグローバルの視点。日本のスタートアップが若いときからESGの要素を実装して大きく育てていくと、ダイバーシティを何のためにやるのかが腹落ちすると思います」と語りました。
さらに、田中さんが紹介したLinkedInにおける女性比率の上げ方について、「キャリアベースではなくスキルベースの採用」「自分が自分の一番のファンでなければいけない」など、パワーワードが次々と発信されていきます。最後は皆さんから一言ずつ、熱いメッセージ。「ダイバーシティは成長のために不可欠な武器だという概念を考えて」「女性も男性もI Challengeということで、盛り上げていきましょう!」など、力強い言葉で参加者へ呼びかけました。
「単に女性が増えるだけでは企業は変わりませんが、意思決定の場に女性を含む多様な人を活用することでprofitabilityは上がっていく。女性の皆さんも堂々とその場についていってほしいと思います」と、青山さん。womenとprofitabilityにおける正の相関性を豊富なデータから読み取り、また自分から意識を変えていくことをしっかり学び取ったひとときでした。