The 28th International Conference
for Women in Business
第28回
国際女性ビジネス会議

MORNING SESSION

モーニングセッション

モーニングセッションFostering Team Excellence

VUCAの時代。チームをマネージするのは重責だが、ワクワクする。

ランドバーグ 史枝氏

ランドバーグ 史枝氏Shie Lundberg

Google LLC ディレクター

舞台は米国西海岸シリコンバレーへ。これまで日米3つの会社で数人から数千人までのチームをマネジメントし、現在はGoogle本社コアエンジニアリング部門でリスク・コンプライアンスの技術PMOを主導するランドバーグ史枝さんが、そのご経験に裏打ちされた「最高のチーム」の育て方を伝えます。

「今はVUCAの時代と言われ、先行きが不透明。一方で、挑戦しがいのある課題が多いエサキサイティングな時代とも言える」と、開口一番ポジティブな見方を示しつつ、「良いチームでは、メンバーが組織のビジョンを共有し、効果的に役割分担をして、目標達成に向けて効率的に働くことができる」と言います。

チームのカルチャーが組織の生産性に影響してくる。そのような環境をつくるには何が必要か。パワーポイントを画面共有しながらポイントを絞った明快なトークでぐいぐいと引き込みます。

一つ目は、チームマネジメントの基本原則。ここでは、信頼関係と心理的安全性、期待値の設定と共有、自分の行動や意思決定に責任を負うこと、相互に尊重することなどが重要。
二つ目に、チームの規模を拡大する場合に重要なことを、ご自身が6000人のチームをマネージしたご経験から語ります。協働効果、コミュニケーション、目標・方向性の共有、さらにリーダーの育成と権限委譲がいかに大切か。ランドバーグ史枝さんご自身は、「着任したその日から次に任せられる人が誰か考え始める。その人がどんなスキルを持っているか、どんな意思を持っているかを面接で確認し、育成する中で失敗してもいい」と言います。また、権限の委譲については、「リーダーの育成とセット。1人で全てを抱え込む人はボトルネックになってしまう。勇気をもって部下への権限委譲を進めてください」

そして三つ目に、多様性を受け入れ、尊重すること。それはなぜかと理由を述べます。「多様な人材にとって魅力的なチームになるため。顧客理解力や問題解決力の向上を図るため。より良い意思決定を実現するため。創造的・革新的なアイデアを生む、生産的な組織になるため」。

歯切れ良く簡潔明瞭で、それがご自身の豊かなマネジメント経験から生まれた言葉であることを強烈に感じさせてくれるスピーチ。その最後にランドバーグ史枝さんが強調したのは、チームで楽しむことでした。「VUCAの時代にチームをマネージするのは重責だが、わくわくすることでもある。ぜひチームと一緒に愉しんで仕事をして欲しい。みんなで楽しく仕事をすることが良いチームを育む」と言い、画面にはご自身がチームと一緒に笑顔でイベントを楽しむ写真の数々が。

こういうリーダーとともに仕事ができたら良いと、多くの参加者のみなさんが思われたに違いない、パワフルで楽しいスピーチでした。

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