REPORTオープニングセッション
オープニングセッション
ダイバーシティ経営でビジネスを成長させる
ビジネスをドライブする強いチームのために、多様性が必須の時代。
日色 保氏Tamotsu Hiiro
日本マクドナルドホールディングス株式会社 代表取締役社長兼CEO
日本マクドナルド株式会社 代表取締役社長兼CEO
「今日はぶっちゃけトークみたいな形でできればいいかなと思っています」
楽し気な挨拶でダイバーシティ経営というテーマをぐっと身近に引き寄せてくれたのは、世界経済フォーラム日本代表の江田麻季子さん。日本マクドナルドの社長である日色保さんを迎えての、カジュアルなトークショーが始まりました。
日色さんがジョンソン・エンド・ジョンソンの社長を務めていた頃、江田さんはインテルの社長だったとのこと。「その頃からの友達」ということで、まずはファシリテーターの江田さんが「ジョンソン・エンド・ジョンソンからマクドナルドへ移られて、ダイバーシティの観点は変わりましたか?」と尋ねます。日色さんは「ヘルスケアにおいても、外食産業においても、いろいろなニーズがあることは同じ。多面的な視点を持っていないと、ビジネスをドライブできない。何が大事なのかは同じなんだなと思います」と実感を込めて答えました。
「でも、言うが易しで、ダイバーシティを実践するのは大変ですね。どんな意図を持って進めていますか?」と、江田さんが具体的な問いへと進めます。
「もう、課題は多様なんです。その解決策は多様な視点と経験からしか生まれない。だから多様な経験、視点を持った人が組織内にいれば、より早くドライブしたり、ブレイクスルーが起きたりします。しかし、人材流動性のない日本企業は経営層がそういった経験をしていないので、なかなかそこまでいかない。正直言って、経営者の“決め”の問題。強いチームをつくるためにやるぞと言えば、みんなやりますよ」
複数の企業のCEOを務めてきた日色さんならではの、力強い言葉が返ってきました。
江田 麻季子氏Makiko Eda
世界経済フォーラム 日本代表
さらに「多様性があるチームは、レジリエンスが高い」という日色さんに、江田さんは5月に参加したダボス会議について語ります。
「先が見えないとみんな言っています。コロナで大変だと思っていたら戦争が起こる。気候変動も待ったなし、考えなければいけないことがたくさんある今、修羅場をくぐった人たちがいろいろな視点で考えるというのは必須ですね」
終盤に入ると江田さんが佐々木かをりを巻き込み、ひととき3人でのトークに。多様性に富んだ人財の育て方について、日色さんが「この人が一番輝く仕事は何だろうと、アセスメントし続ける。リーダーはチームの人たちの成長にコミットするというのが一番大きな仕事」と力説します。「ダイバーシティ経営は当たり前の時代という認識のもと、これをどう強みにしていくか、その方法を皆さんとこれからも議論していきたいと思います」と江田さんが締めくくり、ダイバーシティ経営の“実践”をしっかりと語り合ったトークショーが終了しました。