REPORTクロージングセッション
クロージングセッション
メッセージ
ダイバーシティで成果を出すには、推し進める部署自体のダイバーシティも大事
林 伴子氏Tomoko Hayashi
内閣府 前男女共同参画局長
(内閣府経済社会総合研究所次長)
「オンラインとは思えない熱量」との言葉があちこちから聞こえてきた今日一日。そのクロージングにご登場いただいたのは、その熱量を象徴するかのような、内閣府前男女共同参画局長 林伴子さんです。昼間のスピーチで野田聖子大臣が「私のバディだった方」と話されたように、今年5月まで男女共同参画を推し進めるために尽力されました。
最初に林さんは、最近の政府の経済政策で、女性活躍を成長戦略の中に明確に位置づけていることを紹介し、Drive Diversityは、まさにこれをさらに推し進める重要なキーワードであると強調。
「ダイバーシティで日本社会に化学反応を起こし、イノベーションを通じて日本経済の成長につなげる。これが今の日本が直面する大課題です」
そのためには、「政府や企業の中でダイバーシティを進める部署自体を、ダイバーシティで活性化していくことが重要」とし、ご自身が男女共同参画局長であった2年間に行った局内改革について、具体的にシェアしてくださいました。その一つは、局内の男女比率を半々にして雰囲気を活性化したこと。二つ目は、徹底したテレワークによって、子どもが小さく余裕のない「マミー達」も無理なく力を発揮できるようにしたこと。
「マミートラックはマミートラップであってはなりません。柔軟な働き方を実行すれば、マミーはいつの間にかマミートラックを抜けて高速道路に入りビュンビュン走ってくれる」との言葉も大いに納得です。
こうした局内改革の成果として、現在、男女共同参画局は霞ヶ関の他の役所と対等な立場で議論して力を発揮できるようになり、男女間賃金格差の開示の義務化などを決定した「女性版骨太の方針」や、「もはや昭和ではない」の男女共同参画白書など、次々と成果をあげることができたと言います。
そして最後にもう一度、この言葉を繰り返して林さんは話を終えました。
「ダイバーシティによる化学反応を起こすには、それを進める部署自体のダイバーシティも大事であることを実感しています」
林さんのリーダーシップのもと、さまざまな分野の男女共同参画によりDrive Diversityが進んできたことを改めて認識するスピーチとなりました。