トークショー
他国から学ぶ ~スウェーデン・メキシコ・英国の事例~

男女は平等、人口の半分は女性。同じ機会をつくることで国は成功する

F:大門小百合氏Sayuri Daimon

ジャーナリスト、元ジャパンタイムズ執行役員・編集局長

野口聡一さんの宇宙の話に続いて、スウェーデン、英国、メキシコの駐日大使にジェンダー平等の先進事例をお話しいただくトークショーが、東京のメインステージで開催されました。

ファシリテーターの大門小百合さんは開口一番、「世界経済フォーラムのジェンダーギャップ指数のランキングでは、スウェーデンが4位、イギリス21位、メキシコ25位。ご存じの通り日本は121位」と現状を明確にしつつ「我々は他国のお手本から学ばなければ」と言います。

メルバ・プリーア氏Melba Pria

駐日メキシコ大使

今年2月、女性で初めて駐日英国大使に就任されたジュリア・ロングボトムさんは、イギリスはこれまでに2人の女性の首相を輩出したが、政治の世界におけるジェンダー平等は達成されたわけではないとし、ジェンダー平等の歴史を振り返ります。「1990年代に大きなシフトがあった。労働党が調査をした結果、より多くの女性の候補者を出さないと政権を取れないと気づき、女性の候補者をたてることで大勝利を収め、政権奪取に成功した。これが転換点だった」。そして、選挙民が意思表示をすることが大切であると強調します。

駐日メキシコ大使を2019年からつとめるメルバ・プリーアさんは、クオータ制を導入したメキシコの政界について、「2005年は女性議員がまだ30%だったが、法律で50%と決めた。現在、下院議員の50%が女性、上院は49%」と数字を示し、「人口の半分は女性、政治の世界でも議論すれば可能になるはず。日本にも期待しています」と応援のメッセージを。

ペールエリック・ヘーグベリ氏Pereric Högberg

駐日スウェーデン大使

「ジェンダー平等について50年以上も議論してきた」というスウェーデンの駐日大使ペールエリック・ヘーグベリさんは、「男性の育休も実行されている。私は1人目で3カ月、2人目のときは7カ月育児休暇を取得した。それでもキャリアを続けて大使になった。これは非常に重要なこと」とご自身の体験をシェア。民間企業は男性も3カ月の育休が必須であり、夫婦が働いてワークライフバランスをきちんと取ることができるという言葉に、時間をかけて築いてきたスウェーデンの余裕を感じます。

話題がジェンダー平等に関する教育やロールモデルの話題に展開したところで、タイムリミットが近づきます。最後にそれぞれのキーワードを。

ジュリア・ロングボトム氏Julia Longbottom

駐日英国大使

「みんながフェミニストになって女性が能力を発揮することをサポートしましょう」とジュリア・ロングボトムさん。「差別は許されない。気が付いたら声をあげて議論してください」とペールエリック・ヘーグベリさん。メルバ・プリーアさんは、「男女は平等、同じ機会を持つことで国は成功する」と力強い一言でした。

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