講演
グローバルマーケティングとその未来

いま大切なのは、文化の感受性、アジリティ、つねに学ぶ姿勢。

タイデ・グアジャルドTaide Guajardo

欧州ブランド バイス プレジデント
プロクター・アンド・ギャンブル

今度は一気にスイスへ飛んで、日曜日朝7時過ぎのまだ薄暗いジュネーブから、P&G欧州ブランド バイスプレジデント、タイデ・グアジャルドさんの講演をおとどけします。
彼女は、P&G全ての商品を、ヨーロッパ49カ国で、数千億円の予算を持ち、ブランドマーケティングを率いるエグゼクティブウーマン。そのキャリアストーリーから生まれた、とっておきのアドバイスとは・・・。

グローバルマーケティングをどう見ているか、どうGo beyondするのか。特にいまこのコロナの環境下であてはまる3つのポイント。

一つ目は、文化の感受性です。メキシコ生まれメキシコ育ち、アメリカの大学院で国際経営を学び、ヨーロッパ各地で勤務している経験からタイデ・グアジャルドさんは、いろいろなバックグラウンドの人がいて、いろいろな視点があるダイバーシティの中で、忍耐強く理解し、共感し、溶け込む努力が重要であるといいます。

二つ目は、アジリティ、変化に機敏に反応する力。デジタル技術やソーシャルメディアなどのおかげで「昔は10カ月かかっていたことが10日で出来るようになった」。特にコロナによって、どれだけアジリティを上げなければいけないか。ロックダウンでeコマースが急増したときの対応、ショッピングリストに入るためのコミュニケーション改変など、P&Gが実施した具体例を紹介します。

そして三つ目のポイントは、つねに学ぶ姿勢です。最近は、ビッグデータを活用する、AIを使う、より良いビジネスのデジタル技術を使ってビジネスの結果を出す、などのことができるようになっている。私がかつて学んだマーケティングの世界も常に進化している。自分の知識も更新されなければならない。だから、この世界で生き残るために、最近は毎日1時間、ポッドキャストで最新の情報を学んでいるといいます。
「いわば、再度目覚める、学び直すということです。そうすることで全てのブランドの成功につなげていきたい」

プライベートでもタイデ・グアジャルドさんと親しくしている佐々木かをりが、「こんなにスーパーウーマンなのに、夕方6時過ぎには家に帰り、夏も秋も1週間以上ちゃんと休みをとっている。そのうえに勉強もしているなんて、本当に尊敬します」と話しかけると、「そう、つねに学んで脳を活性化させています。脳をもう一度育成するということ。それが今の私の日々の生活です」と、彼女の部屋から見えるスイス・レマン湖の様子を画面に映し出しながら、笑顔で答えてくれました。

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