講演
化石燃料から再生可能エネルギーへ、Go Beyond

環境と経済は同軸、国と民間で連携して気候変動対策を。

小泉進次郎Shinjiro Koizumi

環境大臣 兼 内閣府特命担当大臣(原子力防災)

野田聖子さんのパワフルなスピーチに、多くの参加者が画面越しに拍手を送ったところで、今度は環境大臣 小泉進次郎さんのご登場です。佐々木かをりの呼び掛けに、「実はいま羽田空港にいます。これから福岡に講演で向かうところです。このようなかたちでお話できるようになったことは、まさにコロナ後のニューノーマルです」と爽やかな笑顔で答えます。

メインステージの席に残っておられた野田聖子さんが、「女性だけが子育てとの両立は可能かと聞かれる。男性は聞かれない。そんな、みんなが当たり前と思っていることを壊していくのが、私たちの仕事の一つかと思うけどどうでしょう?」と問いかけると、「若い男性議員から変わってきた、環境省も男性の育休が100%になった」と小泉大臣。サプライズで始まったお二人の興味深い贅沢なやりとりがしばらく続きました。

小泉大臣の今日のテーマは、「日本はこれから化石燃料から再生可能エネルギーへGo beyond」。
昨年の9月から気候変動対策という地球規模な課題に大臣として取り組んできた中で、国際社会から「日本は石炭」とのイメージを持たれていることを感じ、石炭政策になんとか風穴を開けたいと力を入れてきたこと。関係省庁の協力、そこがなかなか突破できなかったが、ある新しいファクトがわかったことで、今年の7月には海外への石炭火力の輸出は原則しないことにこぎ着けたことを振り返りつつ、こう強調しました。


「私が石炭政策の見直しに取り組んで風穴をあけることができたのは、世界も経済も金融の世界も民間企業も変わっているという、世の中の変化があったからこそだと思います」

さらに、霞が関の本省も含め全国の環境省のすべてを再生可能エネルギー100%にしていく決断や環境省と経団連で合意を結んだことに触れ、「経団連と環境省が新たな合意書を交わして、コロナ後の持続可能で強靭な経済社会に向けたリデザイン(再設計)の必要性と、「脱炭素社会」、「循環経済」、「分散型社会」への3つの移行について、合意できたことは、環境と経済の好循環を言葉だけのものにせず、環境と経済は同軸であるということを体現するものとして、象徴的で画期的な一歩になったと思います」

そして最後に、2050年までにCO2実質排出ゼロにすることを政府の中で働きかけていることを明らかにし、力を込めて締めくくりました。

「化石燃料から再生可能エネルギーへGo Beyond。その思いで、女性のみなさんの力と連携して進めていきたい。環境で覇権を握るところがこれからの経済でもプレゼンスを発揮する、そういったところにビジネスもシフトしている。日本を、世界を、変えてゆこうじゃありませんか!」

(その後、10月26日に菅総理は所信表明演説で、2050年のCO2実質排出ゼロにすることを発表されました)

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