あっという間に9時間が過ぎ、いよいよ最後のスピーカーとなりました。「今、小島慶子さんと島田由香さんのトークショー『SDGs時代の幸せとは』を見ていて、とっても幸せになってしまいました」とにこやかに登場されたのは、内閣府で男女共同参画局長を務める林伴子さんです。
第6セッション
トークショー
男女共同参画のNEXT CHAPTERS
ジェンダー平等のための最大の課題、「スピード感」を上げる政策
林伴子氏Tomoko Hayashi
内閣府 男女共同参画局長
ジェンダーギャップ指数120位という状況から、なかなか抜け出せない日本。林さんは「我が国最大の課題は、私はスピードだと思っています。そのための男女共同参画のNEXT CHAPTERSについて、3つをお伝えします」と、パワフルに語り始めます。
ひとつ目は、「計画を絵に描いた餅にしない」ということ。政府は昨年末に第5次男女共同参画基本計画を閣議決定し、女性の登用などに関する89の成果目標を設定したといいます。
「今年の6月、これらの目標の達成に向けて、今年度、来年度に政府が取り組む具体策について各関係省庁を巻き込み、決定しました。これが重点方針2021で、我々は『女性版 骨太の方針』と呼んでいます。これをしっかり実行します」
そして2つ目は、「ポストコロナをにらみ、デジタルを女性の力にする」ということ。
「2021年8月、G20で初めて女性活躍の担当大臣会合が開催され、全員一致で、この意見になりました。今後は女性デジタル人材の育成や、リスキリングに力を入れてまいります」
3つ目、さらに声に力を込めて、「ダイバーシティで化学反応を起こし、成長につなげる」という方針が語られます。
「『わきまえておられる女性』がいくら増えても、化学反応は起きないと思います。空気を読んだ発言ではなくて、その場に新しいインサイトをもたらすような発言、フレッシュエアーを吹き込むような発言、そんななかから新しい知恵が生まれると思います」
そして「これからを生きる女性たちがもっと活躍しやすい社会をめざして、しっかりと問題提起し、日本政府のなかでよい化学反応を起こし、政策をイノベーションしていきたいと思います」と、熱いメッセージで締めくくられました。
内閣府・男女共同参画会議の議員をしている佐々木かをりが、「林さんが局長になってから、ものすごいパワーで動いているのを感じております。政策をつくり、動かすという皆さんがいてこそ、私たちのこういった議論が生きてくると思うので、これからもよろしくお願いします」と語り掛けると、「はい、今日は本当に刺激になる一日で、化学反応がバンバンありました!」との答えが。最後のひとことまで、エネルギッシュで情熱に満ちたメッセージでした。