円卓会議2
ダイバーシティ経営と人事の役割

ダイバーシティは戦略だ。勝つために重要なのは、優秀な人を使うこと

佐藤千佳氏Chika Sato

NEC人材組織開発部長

外資系企業のHRリーダーを歴任後3年前からNECの変革を進める佐藤千佳さん、「人事の神様のような存在」とも称される八木洋介さん(株式会社people first代表取締役)、そしてジャーナリストで複数の大学の客員教授もつとめる白河桃子さんが、ダイバーシティ経営の今を熱く語り合う円卓会議#2「ダイバーシティ経営と人事の役割」が始まりました。

まず「女性×働く」をテーマに取材を重ねて来られた白河さんが、ファシリテーターとして口火を切ります。「最近、人事担当者と話していると、ダイバーシティの捉え方が錯綜しているように感じます。そこで改めてお二人の考えるダイバーシティと、企業にもたらすメリットについて伺いたい」

3年半前、佐藤さんがNECに入社した頃から全社的にスタートした企業風土や人事制度の改革。振り返ってみると、「割と速いスピードで変革を起こせた。それは多様な人財の活躍があったから」。そして、3年前までは年間90人程度だった中途採用が現在500人程度に増えた。結果、「今まで当たり前だったことにも違う視点からスポットライトが当たると同時に、長くNECに在籍する人たちも輝きを増した」と佐藤さんは明言します。

八木洋介氏Yosuke Yagi

株式会社people first 代表取締役

終始笑顔でジョークも交えながら熱弁をふるう八木洋介さん。「ダイバーシティは流行り言葉じゃない。勝つために何が重要なのか、それは優秀な人を使うことだ。おっさんばかり集まってやっていて勝てるのか!」と、ぐさり本質を射抜く一言。続けて、現在男性を1とすると女性の活用度は0.65。3000万人の女性が働いていて、その能力の1/3は使っていないことになる。「これで日本の企業が勝てるはずがない」とも。
「多様性を大事にするというのは違う異なる意見に耳を傾けること。異なる意見に耳を傾けないでおっさんばかりでやっているような会社が、一体どうやって健全な経営ができるのかと、私は言いたい」

さらに話題は、withコロナで働き方が変わったことへと展開。それによって個人の働き方にも企業の経営にも大きな変化が起きていること、これからの時代はどうあるべきかなど、3人のスピーカーの示唆に富んだ見解が次々と述べられました。

F:白河桃子氏Touko Shirakawa

相模女子大学 大学院 特任教授
昭和女子大学 客員教授
iU情報経営イノベーション専門職大学 超客員教授

そして後半は参加型のディスカッションへ。画面上で続々と手が挙がり、「中間管理職として、若手から上がった声にどう対応すべきか」、「ダイバーシティはボトムアップかトップダウンか」、「管理職を躊躇する女性に対してできることは?」等々、参加者のみなさん自身が直面する課題に、スピーカーからの的確な回答と温かいエールが。

最後にスピーカーから一言ずつ。
「企業が手を取り合い、日本がジェンダーギャップ120位から浮上できるように!」と佐藤さん。「ダイバーシティは戦略。数値目標は持つべき。男と年齢というゲタを履いているやつに負けてはいけない。みなさん、ゲタを履いてでもチャンスを掴め!負けるな!」と八木さん。白河さんの「コロナは女性にとってチャンス」と、3人それぞれの熱くパワーに満ちた言葉でこのラウンドテーブルが終了となりました。

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