円卓会議20420代・30代からのリーダーシップ

  • 岩田 松雄
    岩田 松雄

    株式会社リーダーシップ コンサルティング代表
    早稲田大学非常勤講師
    元スターバックスコーヒージャパン株式会社代表取締役最高経営責任者

  • 嘉村 賢州
    伊藤 綾

    株式会社リクルートホールディングス サステナビリティ推進部 パートナー
    株式会社伊藤ハム米久ホールディングス 社外取締役
    ソフィアメディ株式会社 VMS推進本部 本部長

  • 島田 由香
    島田 由香

    ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス株式会社 取締役 人事総務本部長


全員がリーダー。リーダーシップとは自分を信じること、考えるのをやめないこと

役職だけではなく、自らを動かす力こそがリーダーシップである。だから、どんな年齢であっても、誰もがリーダーになれる。このセッションでは、あえて「20代・30代からの」という切り口でリーダーシップを掘り下げます。

会場に集まったのは、学生から40代50代の方まで幅広い年齢層。最初に、ファシリテーターの島田由香さんから「リーダーシップといえばこの方」と紹介された岩田松雄さんは、「人を治める前に自分を修めなさいという言葉がある。この人が言うなら聞こうと思われる人になることが大事」といい、さらに「年齢は関係ない。組織のために尽くそうと思っている人は全員リーダーだ」と明言。

「全員がリーダーと聞いて、えっ?と思った人は?」と島田さんが会場に問いかけると、10名ほどが挙手。「しっくりきた人は?」過半数。みなさんの気持ちがどんどん積極的なっていく様子が見てとれます。

「ダメダメだった20代の私が、自分を信じればいいのだ!と雷に打たれたみたいに痛烈に感じた瞬間があった」という伊藤 綾さん。20代の専業主婦時代を経てリクルートに入社し、ゼクシィの編集者になって間もない頃に起きた電撃的なエピソードを披露しつつ、「リーダーシップというのは自分を信じること」と力を込めて語りました。

岩田さんも、ご自身が挫折されたときの体験から、「夢に向かってがんばっていると、もうダメだという時に助けがくる。自分を信じる気持ちがあればなんとかなる」と。また、島田さんは「自分を信じるというのはすごいキーワード。誰かとの比較ではなく自分自身を信じること。そして、自分を信じていないと人を信じられない」と、ひときわ声を高めます。

20代・30代という言葉について島田さんは、「もしかすると私たちは無意識に、リーダーシップは40代以降にとっていくものという思い込みがあるのではないか。でも本当は年齢じゃない。私たちは1秒1秒死に向かっているのだから、1秒も無駄にしないで考えることが大事」。
伊藤さんは、20代・30代の後輩たちに「どんな環境においても思考停止してはいけない。考えることをやめないで」とアドバイスするといいます。そして岩田さんからは、「20代・30代の頃から、自分が上司だったらどう考えるかというくせをつけることも重要」。

「私たち3人、質問大好きです!」島田さんの弾けるような笑顔に導かれ、質疑応答タイムへ。大学生からは「若い世代がリーダーシップを発揮して変革するには、上の世代をどう巻き込めばいいか」。チームリーダーの方からは「かっこいいリーダーシップを見せたいのに不恰好な自分と向き合っている。どう成果を出すか」と切実な問いも発せられるなど、合計10人ほどからの質問に3人のスピーカーが情熱を込めて知恵の言葉で答えます。

「結局は、人間力。自分を知って信じて、やりたいこと、得意なこと、好きなことを思いっきり楽しみましょう」と島田さん。「男性のお尻を叩いてほしい、周りの男性を見捨てないで」と岩田さん。伊藤さんは「無人島に一人ぼっちでいてもリーダーシップはある。自分の人生を自分で決めてリーダーになりましょう ! 」と、それぞれ力強いエールで締めくくっていただきました。

イー・ウーマンピアからのレポート

20代でも30代でもないのですが、最近若手育成がミッションになっているのでこの円卓会議を選びました。ほっとしたことに、私くらいの年齢の方も多かったです。そして、若い方では高校生も。若いうちからリーダーシップを学ぼうとする姿が頼もしいです。
伊藤綾さんは飾りのない素直な言葉で、ご自分の体験談(20代の頃、一旦専業主婦になりその後復職するも何もできなかったこと)を語られ、それに勇気付けられた方が多かったと思います。司会進行役の島田由香さんのポジティブな雰囲気と相まって、広い会場全体がポジティブな雰囲気に。
自分を信じられない人は人も信じられない。それなら、どうやって自分を信じるのか。「やってみよう」「ありがとう」「なんとかなる」「ありのまま」この4つのキーワードを口に出したり胸に置いたりすることで、自分に対して自信が持てるようになるそうです。
質疑応答では、部下をうまく指導できなくて悩んでいる方からの質問もありました。「自分が使っていることばや方法が、相手との共通言語かどうかを考えてみて」というアドバイスが胸に刺さりました。
伝え方を意識すると自分の考え方自体も変化して、懐も深くなりました。

いのくち