講演Climb to the top with a smile

  • 加藤 美和
    加藤 美和

    UNWOMENアジア太平洋地域部長・事務所長


空気なんて読んでいたら何も解決しない。
結果を出すことにフォーカスした働き方を

加藤 美和写真

この会議のためにバンコクから駆け付けてくださった加藤美和さんは、国連UNWOMENアジア太平洋地域部長・事務所長として、アジアにおける女性の地位向上に取り組んでいます。国際機関という厳しい仕事環境にありながら、柔らかな語り口調と、誰もが引き付けられるチャーミングな笑顔が印象的。昨年、ご登壇いただいた際にも、「加藤さんというロールモデルを発見した!」と多くの声が上がりました。

「この会議は他の会議と違う。情熱をもって何かしたい方たちが集まっているので、普段とはちょっと違う話をさせていただきたいと思います」と切り出した加藤さんに、会場の期待が高まります。笑顔でポジティブに、トップへ昇っていくというテーマについて、加藤さんは「現役の中堅の役人としては、結構リスキーなテーマ。それでもやろうと思った」と力強く語ります。

加藤 美和写真

「昇進というと、セルフプロモーションと捉えられることが多いと思います。そういう野心は出さないほうがいい、というのが洋の東西を問わず一般的な考え方。いわんや女性はその傾向が強い。それでもあえてこのテーマにしたのは、今、多くの変化が必要とされているから。Act Positiveなリーダーが少ない今、空気なんて読んでいたら何も解決しません」

そして、結果を出すことにフォーカスしたパワフルな働き方を、女性たちに提案していきます。
「10年後ではなく、いま目の前に山積する問題を解決するために、より決定権のあるポジションにつくというのを一緒にやっていきませんか。そうやって上を目指す人を「いいよね」と応援できる社会を作っていきませんか。一生懸命働く女性は、家庭を犠牲にしているという気持ちがあるかもしれない。そこまでして働いているなら、結果を最大化していくという発想に変えるのはいかがでしょうか。決定権のあるポストに就くことで指揮下に入る人の働く環境も変えられ、社会を変えていくことができます。」

加藤 美和写真

加藤さんご自身が、今現在、10歳になるお子さんをオーストリアにいるご主人に預けての単身赴任であること、そして、そのお子さんは、今日は終日この会議に参加していることを告げると、会場から思わず拍手が起こりました。

社会の女性に対する期待値に、実は遠慮していないか、おじけづく気持ちがないか…。自分たちのマインドセットも含め、女性たち自身が打ち砕いていかなければいけないグラス・シーリングもたくさんあること、誰もが発信者になれる今、自分が変えていけるところにフォーカスして、注力し、結果を出していこうと熱心に呼びかける加藤さんに応えるように、皆、身を乗り出して聞き入ります。

「完璧を目指さず、できることをやっていく。勇気と貢献心をもって、いろいろな考え方、ダイバーシティを尊重する社会を目指し、Act Positiveを日本から発信していきましょう」
まぶしいほどの笑顔で締めくくった加藤さん。拍手を送る会場も笑顔で輝いていました。