働き方改革。今
何か小さなアクションを始めてみて。継続することで、大きなエネルギーに
企業のポジティブアクションを学び、働き方改革の可能性や課題を話し合う円卓会議です。「今日の参加者は、約半分が管理職。私たちが教えるというのではなく、成功体験を共有する場にしたい」と会場に呼びかけたのは、ファシリテーターの平山景子さん。「女性が抱える問題をテクノロジーで解決したい」という志のもと、働き方改革のポイントを学べるグーグル提供のe ラーニング「Womenwill」プロジェクト統括を務めています。講師のみなさんの自己紹介の後、インタラクティブな会議がスタートしました。
政府における働き方改革の委員を務め、様々な企業の取り組みを取材しているジャーナリストの白河桃子さんは、「心理的安全性」というキーワードで口火を切ります。
「働き方改革でもたらされるものはチーム力など様々ですが、心理的安全性が高いチームは生産性が高い。逆に、押し付けがある職場は思考が後ろ向きになり、自律的な働き方ができなくなります。関係の質が上がることで、結果の質がもたらされるんです」
「関係の質を上げるためには、メンバーの個性を引き出すマネジメント改革も必要」と続けたのは、伊藤綾さんです。子育てしながらリクルートでゼクシィ編集長を務め、現在はダイバーシティ推進を担当。リクルート開発の「ワーキングファザー&マザーVR」体験の場をここで提供し、「子育て中はマルチタスクが得意になるなど、それぞれがハンデではなく強みを持った存在であることを理解しあえるようにしたい」と笑顔で語ります。
「自分が実践していることで、『副業』という新しい働き方のメリットを現場で見せられる」とパワフルに話してくださったのは正能茉優さん。大学在学中に株式会社ハピキラFACTORYを起業、現在はソニー株式会社で新規事業を開発しながら、自社の経営も続けています。
「例えばソニーの新商品で新しい販路を作ろうというとき、私は自分の会社で販路を開拓した経験があり、商社とも付き合いがある。わかりやすい形で役立つことができます」
後半は参加者も含めたディスカッションへ。質問が飛び、さらに会議は白熱していきます。
「働ける時間がそれぞれ異なる社員の目標値の決め方、成果の測り方は?」「テレワークの提案をしても50代以上には抵抗があり、若い世代が実践しにくい。どう進めたらよいか」「完璧なルールでなくてもいいという話が出たが、見切り発車と言われないようにする対処は?」…次々と会場から挙げられるテーマで話し合い、あっという間に終了時刻に。
「何か小さなアクションを始めてみてください。この会場にいる人だけでもそれを継続することで、大きなエネルギーになります!」と平山さん。「今日学んだことを、明日、人事に話します」という方もいるなど、さっそく次のアクションを発見した方も。前へ踏み出そうとするみなさんの表情は、スタート時よりもさらに輝いていました。