REPORT


トークショー決断する力

  • 江田 麻季子
    江田 麻季子

    インテル株式会社
    代表取締役社長
    インテル コーポレーション
    セールス&マーケティング統括本部 副社長

  • 大門 小百合
    大門 小百合

    株式会社ジャパンタイムズ
    執行役員 編集・デジタル事業担当
    (編集・デジタル部門最高責任者)

  • ランドバーグ 史枝
    ランドバーグ 史枝

    Google Inc. グローバルディレクター コンシューマーケア gTech




3人の男性リーダーに続いては、3人の女性リーダーがステージを輝かせます。

2000年にインテルに入社以来マーケティング部門で活躍、いくつもの役職を歴任されて2013年に代表取締役となった江田麻季子さん。2013年夏にgoogle入社、2014年にはGoogle Great Manager Awardを受賞され、今はアメリカ本社で数百人規模のチームを統括するランドバーグ史枝さん。日本の新聞業界で初の女性執行役員となった大門小百合さん。3人のスーパーウーマンの体験や知見に学ぶ絶好の機会です。

はじめに、人生の中での大きな決断は「2つの海外移住」だったとランドバーグさん。1度目は、アメリカ人と結婚し「恋は盲目で(笑)、労働許可もないままに直感で決めた」日本からアメリカへの移住。2度目は、googleのオファーでアメリカから日本へ。5歳半の息子は「僕は子どもだから適応すると思う」と言ってくれて、ご主人も背中を押してくれたといいます。

江田さんの一番大きな決断は、2013年に社長として香港から日本に戻って来たとき。日本で社長をという話が来て迷っていたところ、周囲の人が「チームエフォートだから、一人じゃないから」と後押ししてくれ、「今になってみればこんなに良い機会は無かった」と振り返ります。

大門さんは、2015年1月にシャルリ・エブド社が風刺画を載せて攻撃されたとき、ジャパンタイムズにもその風刺画を掲載するかどうかの議論をした体験を語り、「多国籍、多文化でバックグラウンドもバラバラ。その中で一つの決断をしなければならなかったとき、最終的には誰かが不快に思うようなことは避けようということで決着した」と。



多国籍、多文化における決断ということでは、「お互いの文化を少しずつ取り入れ、正しいゴールへ辿りつくために文化的相違をまとめていく。結果的には多様な文化のほうが最適解が出る」とランドバーグさん。同感という江田さんは、その中で日本人について「不言実行で粛々とプロジェクトを進めるが、もっと大きく話していく環境づくりが出来ればもっと輝ける」。

そして、大門さんの「トップの決断には責任が伴う。決断に際してどんなことを気にするか」との問いに、江田さんは、「出来るだけ多くの意見を取り入れる環境づくりや、自分が見識を広めて勘を養っておくことが大切」。ランドバーグさんは、「どこまでが自分のできる決断か、ということがポイントになる。誰かが死ぬような事態になる決断や、企業のブランド価値を毀損したりお客様をサポートできないような決断は間違っている」。終始一貫、歯切れの良い口調で語ります。

さらに、失敗してしまった決断のエピソードや、決断する力を磨くためのアドバイスなど、日々難しい決断を次から次へと迫られている女性トップ3人ならではの臨場感と勢いあふれるトークが続き、多くの参加者がメモをとりながら熱心に聴き入っていました。