2010年代のRIOT GIRLたち
アーティスト
マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボ助教
高校生、大学生など若い世代から絶大な人気を誇るスプツニ子!さん。斬新な映像や音楽、パフォーマンスで、人間のあり方や社会問題を大胆に表現する話題のアーティストです。現在はボストンにお住まいで、マサチューセッツ工科大学メディアラボでも活躍されています。スタイリッシュなその姿がステージ上に現れると、皆さんから熱い拍手が送られ、一斉に視線が注がれました。
自己紹介は言葉で説明するよりも、まずは作品を見て欲しい!ということで、さっそくスクリーンに映し出されたのは、「ムーンウォーク☆マシン、セレナの一歩」という映像作品。月面にハイヒールの足跡を残す探査機、それを操作する少女……。NASAのエンジニアとともにつくったリアルなプロトタイプが登場するストーリーに、皆さんが夢中になって見入っています。
ムーンウォーク☆マシン、セレナの一歩(YouTube)
「これまで、月面にはたった12人のマッチョなアメリカ人男性しか足跡を残していない。宇宙開発の場面にもダイバーシティを、ということで、月面ローバーが女性の足跡をプリントしたらどうかとNASAに提案したら、おもしろいね、と全面協力してくれました」
これまで男性中心だった宇宙開発の世界に一石を投じるアートに、会場が熱く盛り上がります。
講演のタイトルのRIOT GIRLについて、「直訳すると『暴動女子』ですが……」とスプツニ子!さんが説明すると、楽しい笑い声が起こります。RIOT GIRL とは、90年代にアメリカで女性アーティストたちが起こしたムーブメント。女性が素直にやりたいことを鮮やかに描くための一歩でしたが、当時のメディアは彼女たちの味方ではなかったと言います。
「2010年代となった今、現在のRIOT GIRLには自分のメディアがあり、迅速に問題提起できます。アートの世界だけではない。この会場にいる皆さん、そして佐々木(かをり)さんもそうだと思うんですが、RIOT GIRLは皆さんに通じるDNA。これまでの古いシステムに守られてこなかった女性たちは、自由です。満面の笑みで日本のシステムをひっくり返すことができます。しかもすごく多様で、柔軟なアプローチで。ガールズよ、暴れましょう!」
スプツニ子!さんの前向きなメッセージに後押しされて、キラキラと輝く表情の参加者たちが、RIOT GIRLとなって暴れてくれるのが楽しみです!
注)出演者の肩書きは開催当時のものです。