円卓会議202
「女性社長・女性取締役は何を変えられるか」
ネットイヤーグループ株式会社 代表取締役社長 兼 CEO
株式会社ワーク・ライフバランス 代表取締役社長
21LADY株式会社 代表取締役社長
株式会社イー・ウーマン 代表取締役社長 株式会社ユニカル インターナショナル 代表取締役社長
※ Fはファシリテータです。
企業のガバナンスや株主価値を高めるために、女性取締役の採用という動きが進んでいます。この円卓会議では、現在、社長や社外取締役等で活躍する方々が登壇。企業ガバナンスのあり方、女性役員の価値、そして日本企業の今後の課題などをディスカッションしていきます。
佐々木かをりの呼びかけで、まずは会場の皆さんから、このテーマを選んだ理由、知りたいことなどを教えていただくことに。早速多くの方々の手が挙がります。
小室 淑恵さん
広野 道子さん
「自分の会社の取締役が、『女性を登用すると何がいいのかまったく見えない。BtoCならいいが、BtoBに女性は必要ない』と言っている。何か変えられることはないかと思って参加しました」
「女性社長や取締役になるとき、従業員としての考え方からリセットする瞬間があるのではないか。それはどんなときだったのか、何が変わるのかを聞きたい」
「ロールモデルとなる女性が社内にいない。社長や取締役の方は、どのように“あるべき姿”を見つけていったのか」
会場からの質問に答える形で、活発なディスカッションが繰り広げられていきます。
午前中の講演でも登壇されたワーク・ライフバランス 代表取締役社長の小室淑恵さんは、ずばり「女性社長は何が変えられるか」についてコメント。
「その組織の中にいる女性たちに『希望のレール』をあげられるというのが一番変わると思います。それは社長になってから思ったというよりは、前職のときに実感したこと。ヘッドハンティングされてきた女性取締役が来たことで、自分はどこまで行けるのかを考えることができました。希望のエネルギーがぐんと上がります」
石黒 不二代さん
佐々木 かをり
ライフスタイル産業を担う21LADYの代表取締役社長であり、2002年からは子会社である洋菓子のヒロタの社長に就任している広野道子さんは、会社を変えるためのポイントを語ります。
「『自分が』というよりも、『いかに上司に動いてもらうか』ということも大切。コンサルティング会社にいたときには、意思決定者をどうやって引っ張り出すかを常に考えていました」。さらに「2社に1社は後継者がいないと言われている時代なので、自分で会社を買っちゃえばいいんですよ(笑)」と、企業再生のスペシャリストらしい発言も。
ネットイヤーグループの代表取締役社長であり、様々な上場企業の社外監査役、社外取締役も務める石黒不二代さんは、多くの参加者が抱える課題である「日本企業の現状」について言及します。
「イノベーションを起こすためにまず必要なのは多様性、そしてコミュニケーションという時代なのに、日本はまったく変わっていない。それは男性が過去の成功体験から逃れられないから。そして、女性の意識もまだまだ遅れていると感じます。まずは自分を変えていく。これで世の中が変わります」
石黒さんの言葉を受けて、佐々木が締めくくります。「『まだまだ』というのは、つまりはゲームチェンジすれば皆さんがもっと上に行くということ。今まで自分の既成概念で、ここまで頑張ったからもう終わりと思っている人がもしいらっしゃれば、そうではないんだ、ということです。ルールを変えるチャンスはたくさんあります。みんなで上にいって、来年出会えたらいいなと思います」
積極的に質問する皆さんの熱意が会場を盛り上げ、刺激的な展開となったセッションでした。
入口 和朗 さん
このタイトルでの円卓会議に数度参加させていただいている中で、やはり感じることは女性に対する現状の男社会は未だに変わっていないことを思ってしまう。本来なら間違いなく有能な人材であれば登用されるであろう人材でも「女性だから・・・」という理由でまず足切りされるのは辛いものがある。しかし、そんな現状の社会構造は確実に変わる時が来る。そして、その社会構造が変わること自体が「Game change」であると思うし、すでに一部では始まっていることに嬉しく思った。
私も、どうもなかなかロールモデルが見つからない状況の中で、この円卓会議に参加して一番すっきりしたことは「Game changeするのに、ロールモデルはいらない!自分がロールモデルになればいい」ということでした。そして目標を高く持ちつづけて頑張れば、私の今いる会社、ひいては自身の人生も「Game change」できるかも知れないと思いました。
さらら さん
一番大きな部屋で行われたこの分科会。午前中には安倍総理も来場され、女性活用について語られていたこの会議。何といっても印象的だったのは、冒頭に佐々木かをりさんの言葉だ。「3~4年前にもこのテーマを取り上げたのですが、その時集まったのは30名くらいでした。今年は・・・200人?300人?」そう、私もこの人数にびっくりした。当時、おそらく私もこのテーマを目にしていたであろう。しかし、当時は選ばなかった。「取締役?わたしには関係ない!」と思っていた。最近女性役員の登用目標がニュースで取り上げられるようになり、「人ごとではないかも・・・」と感じるようになってきた。時代が変わってきている。会議の中で何度も語られていた、「組織のトップが、女性を登用する!と言えばそれだけで変わるんです!」という言葉。日本のトップがそう声に出したことで、確実に日本の空気が変ってきているのだ。家に帰り、旧態依然の日本企業で働く夫に「女性役員って会社にいる?」と聞くと「女が役員になったら何かいいことあるの?」と冷めきった声で返答。イクメンにはなったが、その先には進めていないようだ。夫の意識を変えないと、夫の会社、ひいては我が家の経済も危ないかもしれない。
ヒロコ さん
会場に入る前から長蛇の列。入ってみると、椅子の多さにビックリ。今回の円卓会議で一番の参加人数との事でした。私は端でしたがなんとか最前列の席を確保しました。壇上には佐々木さん始め、石黒さん、小室さん、広野さん。皆さん社長で、他社外取締役を多数努めていらっしゃいます。そんな雲の上のような存在の方々からどんな話が出るのか興味津々でした。
始まってからすぐ質疑応答のスタイルになりました。
広野さんは事業再生のスペシャリストとの事。<人口が減っていくので、会社を継ぐ人がいない。会社は簡単に買える>という話があり、目のつけどころにビックリしました。
石黒さんからは<成功体験を捨てる事が必要>という話がありました。
小室さんは<自分がどこまでいけるのか、希望のレベルを上げる>とおっしゃっていました。
質問に対する答えは身近な話もとても多く、大変参考になりました。
これから世の中は急速に変わっていく、その中で女性も変わっていかなくてはいけないとひしひしと感じました。明日からさっさと上に行く努力をしながら、残業しないで早く帰る事を目標にがんばります。
Hazel Nuts さん
「女性社長・女性取締役は何を変えられるか」
ダイバーシティの第一歩が女性活用である点が強調されていました。現場では男女半々であるのに、管理職、役員と上っていくごとに女性の比率が少なくなり、働き方の多様性がないため上に昇ることができない、また、女性がトップになることで、女性がどこまで行けるかを女性従業員に示すことができる、というのは納得でした。今の自分の上司のようになりたくない、ではなく、自分が上に昇って行ってルールを変えるのだ、自分がロールモデルになるのだ、私たちがゲームチェンジすれば、変化を起こせるのだ、という力強いエールに、勇気と希望をもらいました。
Piano さん
おそらく200名くらいの方が参加されたと思われます。
佐々木氏のファシリテーションで、冒頭それぞれの方のバックグラウンドと今まで取り組んだことなどの自己紹介がありました。
そのあとは、佐々木氏が参加者の方に何を知りたいのかを質問をしていきました。
次々に手があがり質疑応答がありました。
一番記憶に残ったのは、石黒氏の「ロールモデルはいらない。これだけ世の中が変わっておりマクロ経済も変わる。自分が出世して会社を変えロールモデルになる」という力強い発言でした。
佐々木さん、石黒さん、小室さん、広野さん、それぞれのご経験から回答くださり、私にとって多様なロールモデルに出会えました。
ありがとうございました。
Y.N. さん
ファシリテーターの佐々木社長を中心に登壇者の自己紹介と仕事での役割のお話がそれぞれあり、その後、セッション参加者からの質問に答えていく形式で進行。石黒社長は、他社の社外取締役もしているが、女性だから、というより、ITとマーケティングの知識、アメリカをよく知っているから、社外取締役として貢献できる。小室社長は資生堂勤務時代、そして、アメリカに滞在期に関わった方からの経験から起業される。会社内で情報の格差を作らず、スタッフに経営者ぐらいの責任をとってもらい、仕事上の実践で力を付けてきている。広野社長は、自分の会社の価値をどうつけるかが重要で、働く人がどうやって働けば、会社に付加価値をつけられるかが重要であると主張している。佐々木社長は、経営者が女性を登用すると会社がどれだけ業績があがるか、ということが経産省のHPに載っていることを指摘し、現在、企業が社外取締役を多様なバックグラウンドの女性を登用することで、現在社内で幹部候補として一生懸命働いている女性たちにインセンティブを与えている、という状況を説明。
そして、どうして、日本で、今、女性の取締役を確実に企業で定着させていかなくてはいけないかという状況の背景について、石黒社長は、今、アメリカで成功している会社は、働く人の多様性と働く人々のコミュニケーションが成り立っているとし、現在、日本では、その多様性モデルの一歩として、女性の社外取締役の採用が行われている、としている。日本の人口減が50年後には、今の人口の半減になるという現状がある。その現実に向き合い、今から、人口が減り続け、社会が縮小していく上で、少子化を克服していくこと、つまり子供を産み育てるための社会インフラを整えていくことが必要であるとしており、今までの社会の在り方に則した常識では通用しないので、これからの社会の変革のなかで、自分の手本となる人は誰もいないので、自分が社会を変えていく、という意識をもたなくてはならないとし、女性の意識がまだ低い現状があり、自分が変わろうとする意識が必要である、としている。つまり、この女性社長・女性取締役の登用は、日本の現状で当然の流れである、としている。
このセッションに参加し、日本の現状、困難が多くある現実、そしてそれらを克服していく力の必要性が強く述べられていました。今までの社会における成功体験や働き方、仕事の在り方も現状を客観的に把握し、自分の能力で前に進んでいくことが必要であることを認識しました。常に社会の現実に目を向け、能力をつけ、周囲とのコミュニケーションを大切にし、自分に限界を作らず、前に進むこと、そうゆう世の中に入ったな、と思いました。
注)出演者の肩書きは開催当時のものです。