円卓会議205社⻑のチカラでscale up!

  • 嘉村 賢州
    川島 史子

    株式会社PLUS F代表取締役社長
    株式会社クラウドクリニック 代表取締役
    日本医療コンシェルジュ研究所特別顧問

  • 土屋 清美
    土屋 清美

    株式会社Sound-FinTech 代表取締役
    STOCK POINT株式会社 代表取締役

  • 土屋 清美
    石黒 不二代

    ネットイヤーグループ株式会社
    代表取締役社長 CEO


スケールアップとは、しなやかな発想の転換で生まれる“変革”。

「このテーマは、国際女性ビジネス会議のなかでも本当に“ど真ん中”のセッションではないかと思います」と切り出したのは、ファシリテーターの石黒不二代さん。ネットイヤーグループの代表取締役社長兼CEOです。会場には会社経営者や、キャリアアップしたい参加者が着席し、期待を膨らませます。3人の女性社長が語る「スケール」とは、そしてそれを拡大するとはどういうことなのか。議論のスタートです。

石坂典子さんは、廃棄物処理を担う父親の会社を継承した二代目社長です。「最初はネイルサロンを開きたいと思い、その資金調達のために入社しました(笑)」という意外な言葉に会場から驚きの声も。しかし「価格でしか選ばれない、圧倒的な川下ビジネス」だった廃棄物処理を、社会的に評価を得られる事業にしたいと一大決心。斬新なアイデアで、会社と業界を変革していきます。「最近は海洋プラスチック問題などもあり、ようやく注目されています。廃棄物からみた社会の動きはこれからのものづくりやサービス展開の大きなヒントになる」と意気込みを語ります。

2006年に金融機関向けのIT企業を創業、2017年には世界初となる株価連動型のポイントサービスを提供するSTOCK POINTを立ち上げたのは土屋清美さん。「お買い物で貯めたポイントで株式投資ができ、一株以上になったら現物株式をプレゼントというサービスです。最初の会社は堅実に経営してきましたが、次は自分たちが特許をもったサービス展開をしたい、世の中に打って出たい!という想いでした。まだまだ苦難は続きますが、ポイントという新しいマーケットのなかで自分たちなりのポジションをつくって、まさにこれからスケールアップをしていきたい」と目を輝かせます。

在宅医療の医療事務をアウトソーシングするシステムで、医師のサポートと、資格をもった女性の働き方改革という二つの課題を解決するビジネスを展開している株式会社クラウドクリニック代表取締役の川島史子さん。「これからは個々の活躍を推進する時代」と力強く宣言します。
「資格を持っているのになかなか働けない女性たちも、バックオフィスなら活躍できます。最近はイクメンも加わりました。当初は3名だったスタッフが、今は北海道、東京、福岡、福井、さらにベトナムなど、約40名に。これからは世界各国でスケールアップしていかなければと思っています」

そして、それぞれにバックグラウンドの異なる3人がどのような過程を経て社長として企業をスケールアップしてきたのか、具体的なノウハウや考え方に議論が移ります。
「発想の転換」「母親としてのサスティナブルな視点」「社員が自主的に動く組織づくり」「ICTの活用」など次々と大切なキーワードが飛び交い、参加者も巻き込みながら、
社長の考え方ひとつでスケールアップしていく様子がうかがえました。

石黒さんが「すごく有意義なセッション」と笑顔を見せると、大きな拍手が起こります。
「私が今日学んだスケールアップとは、“変革”ですね。このセッションの前は、利益率などの小さな目線で考えていました。ところが、今日の3人の方は変革をしている。そして、それに伴うリターンがある。現状維持から成長させていくことで、また全然違う企業経営のスケールが生まれてくるのではないかということを、私自身も教えてもらいました」という言葉に、今後のスケールアップへ心を一つにした会場から再び拍手が起こりました。