円卓会議204Fintechな生活

  • 柴山 和久
    柴山 和久

    ウェルスナビ株式会社 代表取締役CEO

  • 瀧 俊雄
    瀧 俊雄

    株式会社マネーフォワード 取締役 Fintech研究所長


AIの発達、日本の課題。フィンテックの今を知り、活用していくために。

管理職だからできること 写真
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ファイナンス(Finance)とテクノロジー(Technology)の融合から生まれた造語、Fintech。キャッシュレスが進む今、フィンテックによって私たちの社会はどう変わっていくのか。個人、企業、さまざまな視点から考えていきます。

「そもそもフィンテックって何なのか、わかっているような、わかっていないような…。皆さんありがとうございます、うなずいていただいて(笑)」
ファシリテートを務めるコカ・コーラ ボトラーズジャパンの執行役員・青山朝子さんが切り出すと、会場は笑いに包まれました。青山さんの親しみあふれる口調で、フィンテックの今をひもといていきます。

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「フィンテックはあくまでも手段」と語るのは柴山和久さん。資産運用を自動化したサービスの提供で誰もが利用できる次世代金融インフラを目指すウェルスナビ(株)のCEOです。「今、定年まで働いた場合の退職金が年間2.5%以上減少しています。現在35歳の人の退職金は1000万を切る」という言葉には、会場から「えーっ!」というどよめきが。「人間の脳は資産運用に向いていない」とし、それを克服するためのAIの可能性を解説します。

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「『フィンテックをやれ』と言ってる人ってヤバイよね、なんて声もあるんですが」と、軽妙な口調で笑いを巻き起こしたのは、(株)マネーフォワード 取締役 Fintech研究所の長瀧俊雄さん。「金融は70年くらい前からすでに技術産業。電子的に情報処理している」と、現在の動きが進化の延長線であるとし、それでもなぜ銀行がフィンテックに難色を示すのか、GoogleやAmazonなど今や世界経済を握るIT企業が銀行をつくる可能性など、金融業界の今後を語ります。

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「日本人はどうしても現金払いから離れられない」と、国民性から課題を探るのは日本総合研究所理事長の翁百合さんです。「インドでは履歴が追えないとして高額紙幣を廃止、スウェーデンではATMを取り壊しています。日本はキャッシュレスが進む傾向はあるけれど、一方で現金を包む習慣も残る。しかもATM網が発達している」とその違いを示し、自販機や外食産業がキャッシュレスになることでコストが大幅にダウンできる可能性を示唆しました。

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会議も後半に入り、青山さんが会場に質問を募るとさっそく手があがります。質問者のなかには「ウェルスナビ」のヘビーユーザーという人も。「今、国でもキャッシュレス化を進めていると聞くが、具体的にはどんなことをしているのか」「フィンテックで金銭の流れが透明化するのは良いことだが、個人情報が恣意的に使われる可能性は」など、飛び交う課題について登壇者たちが徹底議論。

「AIはどこまで信頼できる?」など、参加者の目線で終始ファシリテートを務めた青山さんは、最後にこの日に語られた運用と貯蓄のポイントについて簡単にまとめ、「日本の場合、変わるときはワッと一度に変わるので、フィンテックを通じて世の中は動いていく」とコメント。「フィンテックそのものはわからなくていい。自分が実現したいことがあるとして、そのためにフィンテックをどう活用するか」など登壇者の前向きなコメントとともに、白熱したひとときが終了しました。