REPORT


トークショー男性リーダーがつくる新しい未来

  • 松本 晃
    松本 晃

    カルビー株式会社 代表取締役会長 兼 CEO

  • 古賀 信行
    古賀 信行

    野村ホールディングス株式会社 取締役会長
    野村證券株式会社 取締役会長

  • 尾山 基
    尾山 基

    株式会社 アシックス 代表取締役社長 CEO



「力づくでむきになってやっている。自分が結果に対して責任をとる覚悟でないとダイバーシティは進まないし、会社は成長しない。」

日米それぞれの女性リーダーによるパワフルなスピーチが続いた後は、日本を代表する3名の男性リーダーが登壇。ダイバーシティへの取り組みの実情や、女性が活躍できる環境をどうつくるか、男性リーダーに出来る事は何かと、熱いトークが繰り広げられます。ファシリテーターは、NHK「クローズアップ現代」でも活躍された国谷裕子キャスターです。
はじめに国谷さんが、「海外に比べると日本の女性活躍は遅れている。世界経済フォーラムの男女格差では145カ国中101位。どうすればもっと女性の地位や収入が高まったり、働きたい人が復職できたりするのか。その大きな鍵を握っているのが男性リーダーで、男性リーダーが変われば企業も社会も変わるのではないか」と問題提起。ステージ上の3人の男性リーダーに次々と鋭く切り込んで行きます。




まず、アシックスの日本国内の女性管理職比率は6.7%、2020年の目標が10%というのは「控え目な数字では?」と国谷さんの指摘を受けた株式会社アシックス代表取締役社長 CEOの尾山基さんは、「実は打ち合わせの段階で変えまして、マネージャー以上の女性管理職比率を3割程度まで高める必要があるなと……」と言いつつ、海外ではもっと比率も高く、アジア圏でマネージングダイレクターの女性も居るが、「日本は取り残されている、古い体育会系の気質がいまだに残っている」と、実情を語ります。

次に、野村ホールディングス株式会社と野村證券株式会社の取締役会長である古賀信行さんは、「野村証券は日本の古典的な会社。まだまだ男性が正規軍という意識が残っており、さらにその中でも新卒入社が真ん中という意識が強い。それを払拭することが課題。そして女性だけでなく、外国人、LGBT、そして男性の中においても多様化を図ることが重要」と、現状の課題に言及。

いまやダイバーシティと言えばこの人と称される、カルビー株式会社代表取締役会長兼CEOの松本晃さんは、「ポジションというのは限られているので、いま既得権を持っている人から剥奪しなければならない。それがダイバーシティを進めるうえで一番難しい。だから力づくでむきになってやっている。自分が結果に対してコミットする、責任をとる。そのぐらいの覚悟でないとダイバーシティは進まないし、会社は成長しない」と断言。そして、「誰でもできることでしょ」とにこやかに言い放つと、拍手と笑い声が会場いっぱいに広がります。

後半は、「粘土層」の男性が多い会社のカルチャーをどう変えるか、女性が上を目指すには何が大切か、女性自身に必要なものは何かと話題が展開。コミュニケーションスキルを持つ、目標を定めて能力を磨く、環境と制度を整える、トップマネジメントが数字でコミットするなど様々なキーワードが飛び交い、示唆に富んだ貴重なトークショーとなりました。男性リーダーがつくる新しい未来へ、多くの参加者が期待を膨らませたことでしょう。