第17回 国際女性ビジネス会議でもご登壇いただいた野田聖子さんの登場に、会場から大きな拍手が起こります。佐々木かをりが、「前回は子育てや出産についてお話しいただきましたが、今日は政治の世界について話していただきます」と紹介。皆さんの期待が大きく膨らみます。
「20回目という節目なので肩に力をいれて仰々しく話そうと思っていたら、最初に吉田さんがあまりに緩くきたものだから…」
先に登壇した経団連副議長・吉田晴乃さんの講演で何度も笑いが起こり、なごんでいた皆さん。野田さんのひとことでさらに楽しげな空気に包まれました。
野田さんが国会議員になったのは23年前。その頃に支援者をはじめとする周囲から言われたことは、「政治の仕事は男性の仕事」ということ。
「だから、女性が参加するためには自己犠牲を払わなくてはならない。結婚しない、子どもを産まない、育てない。生涯独身を貫き、政治と結婚しなければならないと。これが、私が初当選したときの日本の政治に対する考え方でした。今でもそれは変わっていません」
笑顔だった皆さんの表情が引き締まります。さっそく熱心にメモを取る人の姿も。
「子育てと仕事の両立というのが女性政策のキャッチコピーになってきていますが、それをそのまま男性に言いたい。男性に、家庭と仕事の両立は大丈夫ですかと問う人はいません」
そして、話題は国会で議論が進んでいる安保法制へと展開します。
「今、日本はちょうど歴史の曲がり角です。他国からの攻撃に対する抑止力ということで120時間をかけるのであれば、少子化による人口減少についても同じく120時間をかけていくべき。むしろ本当に、1日も早くこの問題に多くの人が気づき、実現することが大事。それこそが日本のMake Historyになるのではないかと思います」
この日のサプライズゲストである安倍首相のスピーチを受けて率直にご自身の考えを語る野田さんに、全員が真剣なまなざしを注いでいます。さらに高齢者問題や、政府が推し進める「ゆう活」についても、「朝が子どもの世話で手がいっぱいの子育て中の人はオミットされる」と、現状の課題を述べました。
最後に語ってくださったのはリーダー像です。
「これから求められるリーダーは、強いリーダーではない。自分が嫌だと思っている人たちをも受容する力、多様性が大切なんです。ここにいる皆さんが多種多様な声を聞ける、そして発信できるような素晴らしい人間として活躍できるよう、私も頑張っていきます」
20年を経てもなお、女性の活躍が難しい日本の政治の世界。その中で歴史をつくり続ける野田さんの言葉に共感する皆さんからの拍手が、会場いっぱいに響き渡りました。
注)出演者の肩書きは開催当時のものです。