オープニングから立て続けにパワフルな女性スピーカーが登壇。そして、ここで初めて男性スピーカーが満を持しての登場となりました。政策研究大学院大学アカデミックフェローの黒川清さんと、株式会社日本総合研究所 理事の翁百合さんのトークセッションの始まりです。
黒川 清さん
開口一番、「さきほど安倍総理から、リーマンブラザーズがブラザーズ&シスターズなら結果が違ったのではないかとメッセージを頂きましたが、黒川先生は男女の違いはどんなところにあると思いますか」と翁さん。黒川さんは、「男の人は圧倒的なことがあると見栄を張る。状況が悪くなった時に止めようと言えない」「投資の場合は、男性のほうがの対象をあれこれ変える、女性は中長期的に投資して成果をあげる」など、さまざまなデータや事例をあげて答えます。
「制度を変えるにはエネルギーが必要。怒りがふつふつと沸いてくるほど(笑)」と、翁さんが規制改革会議でのご苦労を語り、黒川さんが昨年国会の福島原子力発電所事故調査委員をつとめられた体験や、どうすれば制度を変えていけるのか、民間企業の役割を語る。そんな、次々に視点を変えながらの見識豊かなトークを、一言も聞き漏らすまいとするかのように、会場の皆さんは熱心に傾聴していました。
「日本の制度を変えるには、私たち一人一人が、透明性をもって政策決定がなされているか、など、常に関心を持たなければ」と翁さん。「それには、世界から見られる目というのをしっかり考えておく必要がある。インターネットで調べたり、海外のジャーナリストのTwitterをフォローするのもいい」と、黒川さん。
MBA留学や東大合格率における日本女性のキャパシティが語られ、黒川さんからはグローバルな体験と知見を広げるための「休学のすすめ」も飛び出します。縦横無尽にトークが展開するうちに、あっという間に終了時刻に。
翁 百合さん
最後は、「これから10年、20年の間、世界は全く違った動きをする。自分が常に外界の動きを意識しながら、一人一人が現場で判断することが大切。リーダーは自分」。そして、「ぜひ選挙に行ってください!」と力を込めた黒川さんの一言で午前中のセッションが終わり、ランチタイムへ突入しました。
注)出演者の肩書きは開催当時のものです。