トップの本気がチームを動かす〜待機児童ゼロの取組を通して〜
横浜市長
国際女性ビジネス会議での登壇回数も多く、すっかりおなじみの林文子さん。今回は、今年4月に横浜市で「待機児童ゼロ」を実現した、その取組においてどのようにチームを動かしたかをお話いただけるとあって、会場の女性達は目を輝かせて迎えます。
林 文子さん
冒頭、「ご承知とは思いますが、横浜市はこの4月1日で待機児童がゼロになりました!」と笑顔で述べると、賞賛の拍手がおくられます。民間企業のトップから行政の首長への転身、全く異なる環境でそのギャップに1年間苦しみ続けたという林さん。2010年にワースト1だった待機児童数を3年でゼロにすると言った時、周囲からは反対の声も多かったそうです。
それでも、一人一人の市民の声を直接聞くということをした結果、1日3時間×週3日などの多様な働き方を望む人が多いこともわかり、そうした多様性の受け皿としての施設を民間誘導でつくったといいます。
行政に民間企業の「営業マインド」を持ち込み、「市民はお客様、おもてなしで小さな幸せを」という意識改革をしたエピソードでは、身振りをまじえたユーモアあふれる話しぶりに、会場から楽しい笑いがこぼれる場面も……。
そして、一つ何かが成功すると市長自ら職員にお礼に行った。職員には驚かれたが、そうした事ができるのは女性ならではのしなやかさ、受容力、共感する力の表れでもあるとの言葉には、多くの女性が頷く様子が見られました。
待機児童ゼロは、行政も民間も大学も、保育コンシェルジュも市民も、あらゆる横浜の人々の想いが一つに結集し「オール横浜」で実現したと述べながらも、「待機児童ゼロは通過点に過ぎません」ときっぱり。来年はおそらく4000人希望者が増える、みんなで一緒にやらなければならない、そこには女性の力が生きると、力強く締めくくられました。終始、聞く人の心を惹き付け、ぐいぐいと引っ張っていく、まさに「トップの本気がチームを動かす」を体現するような、素晴らしいスピーチでした。
注)出演者の肩書きは開催当時のものです。