円卓会議 303
ビジネス女性が、日本を動かす!
青山 朝子さん
鎌田 由美子さん
女性管理職が増えてきている今、日本のビジネス界ではどんな変化が起こっているのか。第一線で活躍している女性たちのリアルな体験談とともに、そのダイナミズムを探る円卓会議です。
ファシリテーターは、ジャパンタイムズで執行役員・報道部長をつとめる大門小百合さん。育児休業明けの1年目に「報道部長に」と声をかけられ、最初は断ったこと、上司の言葉で考えが変わったこと、そして子育て中の女性記者も活躍できる環境を整えたことなど、現在に至るまでの日々を振り返ります。
「報道部長というのはニュースに携わるので自分でコントロールできる部分が少ないのですが、それをちょっとは私が変えられたのかなと思っています」
続いて、鎌田由美子さん。JR東日本で「エキナカ」ビジネスを手がけ、「ecute」を立ち上げた後、子会社の社長に就任した経歴があります。
「社長に、と言われたとき、最初は『できません』という言葉が出ました。今までの経験の延長線上ではなかったのでわからないことが多く、怖かったんです」
その後に決断し、社長となってからも「恐怖感をもったことはある」と明かします。
「ただ、自分ができるすべてのことはやる。嘘はつかない。その誠実さだけの経営はしてきました。それが自分の強みです」
カリフォルニア州で弁護士となり、今年の4月から伊藤忠商事で執行役員をつとめている茅野みつるさんは、2月に社長から直々に声をかけられた際に「よろしくお願いします」と即答したそう。
「チャンスがあっても、女性はどうせひるんじゃうという言葉を聞いたことがあったので、もしも自分に何かを頼まれたら、できるできないは置いておいてとにかく引き受けようと決めていました。でも、心の中では数カ月たった今もドキドキしています(笑)」
等身大の言葉に、会場の共感が深まります。その後、女性のメンター制度など、積極的な改革に取り組んだお話も。
青山朝子さんは、コカ・コーライーストジャパンの常務執行役員 財務経理統括部長をつとめています。同社設立以前は、前身ボトラーの一社である東京コカ・コーラボトリングの取締役 CFOとして活躍。そのときが、一番責任が重くなったタイミングと語ります。
「男性が92%という会社ですが、意思決定をする場に一人でも女性がいることによって、人事の慣習も変わっていく。新しい会社に生まれ変わることができるんじゃないかなと思っています」
外資系と日本の企業の違いを乗り越えた話など、女性リーダーならではのしなやかさ、強さを感じさせます。
茅野 みつるさん
大門 小百合さん
後半に入り、大門さんがみなさんから質問を募ると、多くの方から一斉に挙手が。「社内の情報が男性に偏りがちな環境の中で、情報をどのように吸い上げていくか」「現在のポジションに就く前の自己アピールの方法は?」
次々と手が上がり、議論が盛り上がっていきます。真剣に聞き入るみなさんの中には、熱心にメモを取る人の姿も。
「あと5分で終了ですが、ギリギリまで質問を受け付けます!」と、会場の熱意に応える大門さん。「ずばり、CEOになる気はありますか?」という鋭い質問に登壇者一人ひとりが力強く答え、惜しまれつつも終了時間に。退場する女性リーダーの笑顔に盛大な拍手がおくられ、前向きで熱い時間が幕を下ろしました。
Willow さん
みなさんのお話から、華やかな経歴の裏に、大変なご苦労があることがわかりました。そんなご経験の中から、管理職になるにあたり、こんな仕事をやりたいという自己アピールが必要で管理職へのチャンスがあれば、やってみてはどうか。その際に、女性は往々にして管理職になることを決めかねることが多いが、管理職をやれるかどうかを判断するのは、本人ではなく周囲である、とのお話に、なるほどそうなのだと納得し、周囲から管理職として適任と認められるようになるためには、なにをすべきなのか、という私にとっての問題提起として受けとめました。女性登用の道が開かれようとしている今、男女格差を嘆く(嘆いていても変わらないから)よりも、自身がやるべきことをしっかり考え、「コミットエクセレンス(自分は最高の仕事をする)」していくことが重要で、その結果、この3名の方々のように活躍の場が広がっていくのではないだろうかと思いました。
ひろこ さん
テーマに日本を動かすとあるが、どんな話から始まるのだろうとワクワクしながら会場に入った。まず講演者の方々の<節目、節目での挑戦、選択>はどのように行ったかなどといった身近に感じる話から始まったと思ったら【子会社の社長になってくれ】【取締役になってくれ】【CFOになってくれ】といったまだ見たことが無い世界の話だった。しかし内容を聞いていくと、それば自分の立場におきかえると【管理職になってくれ】に通じることができる。最初に話があったときは、みなさん喜んで即答していたかと思っていたらまったくそんなこともなく、できない理由をわざわざ見つけたり、未知への不安を抱えていたそうだ。次に<女性がそういった位置にいるメリット><男性社会で生き延びるコツ>などに話に進んでいく。なかで印象的だったのは【女性はまじめ】という話だった。男性は管理職の話がきたらできるかどうかわからなくても受けるが女性は本心でできると思わないと受けないという。男性の方が戦略的だというのだ。
チャンスがあれば、積極的に受けていこう、そのチャンスをつくる為には周りへアプローチと自分自身をしっかりと育てていく大切さを感じた円卓会議だった。
Hazel Nuts さん
女性管理職のパネリストの方々は、管理職になるチャンスが巡って来た時にひるんだり、できないと思ったりしたことを語って下さいました。また、彼女たちが女性の部下や後輩を見て感じたこともお話し下さいました。男性と比べて、女性の方がまじめで、自信がない傾向にあり、チャンスを逃してしまうというのです。しかし、チャンスが訪れたのは、周りができると思っていてくれるから。仕事をしている限りは、”Commit to excellence”(最高へのコミットメント)を外へ示す必要がある、とのアドバイスがありました。やはり、自信がありそうな人と無さそうな人がいたら、自信がありそうな人が選ばれるものです。どうやって企業の中で上へ昇って行くかということについては、何がやりたいかを声を上げてアピールすること、なりたい自分像を思い描いて、そのために必要な経験や知識が何なのかを考え、それが得られるプロジェクトに積極的に関わるように、というアドバイスもありました。パネリストの方の「チャンスが来たら逃すな!目の前にある山に登れ!」という力強いメッセージが印象的でした。
高野 美佳 さん
現在ご活躍中の女性役員の方々からリアルなお話を聞くことができて、大変有意義でした。各企業において、女性初の役員になられた先輩からの後輩女性へのエールに勇気をもらいました。日本企業で女性が管理職を目指すのはまだまだ難しいが、女性が意思決定の場にいると会社も社会も変わってくるのだから、チャンスが来たら逃さない、会社から昇進の話が来たら、出来るかどうかわからなくても「出来ます!」と言って一歩踏み出してリーダーとなることが大切だということです。やりたいと言い続け、ギャップを埋めるために、どのような経験や仕事が必要か、誰にアプローチすれば良いのかを考えて行動することが大切だということです。勇気を持って一歩踏み出す、ということの重要性を皆さん強調していました。やはり戦略が必要ということですね。自分にもできそうな勇気が湧いてきました。
注)出演者の肩書きは開催当時のものです。