講演のトップバッターは茅野みつるさん。「すごくチャーミングな女性で、北米・カナダをマネジメントする伊藤忠インターナショナルのCEO」と佐々木かをりの紹介とともに、土曜夜9時のニューヨークから登場されました。
セッション1 + ネットワーキング
講演
バック・トゥ・ザ・フューチャー
原点に立ち返って将来を考え、新しい未来を築きたい。
茅野みつるMitsuru Chino
伊藤忠商事株式会社常務執行役員
伊藤忠インターナショナル会社President & CEO
はじめに茅野さんは、講演テーマの「Back To The Future」の意図を説明。みなさんは同タイトルの映画を思い出されるかもしれませんが、と前置きしつつ「ここで意味するところは、コロナ禍で大変だけれども、原点に立ち返って将来を考え、未来に進もうということです」
ニューヨークのどの企業も3月から6月まで3カ月間在宅勤務。6月からオフィスが一部再開したものの、ほとんどは来年まで在宅勤務が続く状態。茅野さん自身も、病院やテントやハドソンリバーに停泊する病院船を窓から見る日々だった。その間、黒人男性が白人警官に殺害されてBLM運動が起き、女性参政権100周年のイベントもあった。さまざまなことが起きる中、「今の環境下で社会が、ビジネスが、生活スタイルがどう変わるか、ずいぶん考えさせられた」
では、これからの「社会」「企業」「個人」は、それぞれどう変わっていくのでしょうか。
まず「社会」については、COVID-19が貧困地域により多く蔓延する現実を目の当たりにし、教育格差や、医療従事者などのエッセンシャルワーカーの待遇の低さが明るみに出た。茅野さんは「改めて格差、平等ということを考えさせられました」といいます。
次に「企業」について、在宅勤務により働く場所ではなく個人のパフォーマンスに焦点があたるようになった。どう生産性を上げるのかという本質、原点に立ち返っている。
そして「個人」については、well-beingが在宅勤務や長時間労働などで低下している傾向がある。どうすれば自分自身の健康を守りながら良いパフォーマンスを発揮できるか、それが今後もずっと大切になると示唆しました。
ニューヨークの空気がそのまま伝わってくるような茅野さんのお話に、この時点で900人以上のオンライン参加者が釘付けとなったことでしょう。
最後に、14世紀の黒死病に言及。「簡単に比べることはできないが、黒死病があったからこそ次の時代がルネッサンスの時代となった。今までの常識が破られ次の華やかな時代が来た」。「今こそGo Beyond、私たちもこれをきっかけにますます新しい未来を築いて行きましょう!」
新たな地平が開かれるような言葉で締めくくりました。